晴天を衝けに度々でてくる「藍染」が美しくて素敵だな〜と放送しているたびに思います。藍染に注目している人も多いはず。藍で染めた「藍色」は日本の伝統色とも言われています。その伝統色の意味も調べてみました。
晴天を衝け動画pandora(パンドラ)やdailymotion、9tsuで見れる?
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青天を衝くの意味は何?渋沢栄一が長野県で詠んだ漢詩がきっかけ!?
目次
晴天を衝け藍染に注目!日本の伝統色「藍色」の意味が深い!
城郭オタクの一言!皆さん近代大河「晴天を衝け」を見てますか。「栄一、仕事はじめ」は藍染の原料すくも作りの説明から始まりました。徳川家康公の好きな外国人の話から入り、ペリーの黒船艦隊が現れる場面になっていきます。渋沢栄一は父市郎右衛門と共に江戸に行き、商売を学びます。(後ろへ) pic.twitter.com/UoYmShjH2m
— まちたつ (@QOa2FRaFWLkv9ct) March 1, 2021
晴天を衝けで出てくる藍で染めた「藍色」は日本の伝統色なのです。藍は最古の塗料と言われています。
鎌倉時代から藍は「勝ち色」と言われ、縁起がいい色と武士に親しまれていました。江戸時代になると庶民にも広まり、着物や寝具に使用されていきました。
勝色(かついろ)とは、紺よりもさらに濃い、黒色に見えるほどの暗い藍色のことです。
実際の勝色です↓
ほとんど黒ですよね。
縁起をかついで好んで侍が来ていた「藍」。サムライブルーのルーツがあります。
日本代表のユニフォームはなぜ赤ではなくブルー?
大体の国では国旗の色をそのままユニフォームの色に反映しているものが多い中、なぜ日本のユニフォームは赤ではないのでしょうか。日本サッカー協会によると、勝利への験担ぎの意味でもあるといいます。
日本の伝統色である深い藍色を意味する”勝色”をコンセプトとし、ベースカラーに起用
1980年代末〜90年代初頭にかけて短期間ホームユニフォームのカラーは「赤」を使っていましたが、成績がいまいちだったこともあって元の青に戻されたそうです。
簡単に言いますと、「藍は縁起がいい」ということです。
晴天を衝けのすくもや藍玉、搾め滓(しめかす)について
吉沢亮さん演じる渋沢栄一は、血洗島の藍農家で育ちました。血洗島は藍農業が盛んで、渋沢家は
- 藍玉を作り
- 藍染めの研究
まで行っていました。
晴天を衝け動画でもお金を入れる巾着や、女性がかぶっているかむり、普段着で着ている着物。ありとあらゆる身近なものが藍で染められていて、とても素敵ですよね。
藍の染料「すくも(蒅)」とは
藍の葉を原料として作られた染料。藍の葉を乾燥させて発酵させたもの。藍染の原料です。このすくもを固めて作ったものが藍玉です。
すくもの作り方
乾燥させた藍草の葉を、粉のように細かくして、水はけの良い土間に積み、水を打ち、ムシロを被せて寝かせ、何日かしたらムシロを剥いで切り返し、また水を打ち寝かせ、約100日の間にそれを17回以上繰り返して出来上がったものを云います。日本の藍染の原料です。藍草の葉を、堆肥状にしたものと言ってもよいと思います。
http://kon-yu.cocolog-nifty.com/blog/2016/03/post-8260.htmlより引用
藍玉とは
藍玉は、発酵させた藍の葉を乾燥させて固めた染料のことです。
血洗島の土壌は米作には不向きで、そのため藍玉を生産していました。この藍玉が渋沢家に多額な利益をもたらしていきました。渋沢家は藍玉で財を築いていた富農(ふのう)だったこともあり、農民ながら帯刀を許されていました。
藍玉の生産・販売で富を築いたのは渋沢家だけではありませんでした。藍染といえば徳島が有名ですが、阿波踊りで有名な徳島藩も藍玉で大きな収益をあげていましたそうです。
徳島藩は蜂須賀(はちすか)家が藩主を務めており、藍玉を売るため江戸でも阿波踊りを流行させようとしたという説もあります。
阿波踊りが流行
↓
藍染めの着物が売れる
↓
徳島藩がもうかる
という考えですね。
藍玉の品質を向上させるために栄一がおこなったこと
渋沢栄一は、藍玉の品質を上げるために国技である相撲の「番付表」にヒントに、番付表を作って武州の藍玉製造農家を格付けすることを思いつきます。
武州自慢鑑藍玉力競(ぶしゅうじまんかがみ あいだまちからくらべ)
というオリジナル番付表を実際に作り、藍玉の製造者たちを招いて日頃の感謝をたたえる際に、席順を藍玉の品質ランク順にしたのです。
良い藍を育てた農家から順番に「大関」「関脇」「小結」「前頭」と番付をした栄一と喜作。ドラマ内で喜作が書いた番付表がこちら。これには本物が存在し、実際に残っている番付表には市郎右衛門や宗助の名前も記されているそうです。#青天を衝け #吉沢亮#番付表 pic.twitter.com/N1Ka6TTbrr
— 【公式】大河ドラマ「青天を衝け」 (@nhk_seiten) March 7, 2021
藍玉製造者から仕入れる藍玉の品質を調査して、「大関、関脇、小結、前頭」などとランク付けしました。
藍玉製造者の競争心をうまくあおり、栄一の狙い通り藍玉の品質は向上していきました。栄一の考えには、良質の藍玉を加工製造することで
- 利益を増やす
- 村全体、地域全体が藍の産地として力を付ける
- 豊かになること
を常日頃考えていたといわれています。渋沢栄一がこの番付表を作ったのは若干22歳の頃でした。
大関に選ばれることは農家の名誉でした。「来年は一番良い藍を作って大関になろう」と誰もが考えたそうです。成塚、沼尻、下新戒、中瀬、伊勢島、落合、高島、下手計、上手計、新井、上敷免などの農家が、藍作りを競い合いました。
晴天を衝けドラマ内でも角兵衛さんの席は上座と決まっていたいましたが、なぜか席が違い「なんでわしの席がここの席なんだ」と怒られました。しかし栄一の狙いを知った覚兵衛さんは「栄一おもしれーじゃねーか」と褒めてくれたので大事にならずすみました。周りも安堵していましたね。
覚兵衛さんは大関になったひとに聞きました。「どこで搾め滓(しめかす)買った?」と。
搾め滓(しめかす)とは
釜で十分に煮た魚を圧力をかけて絞り、この搾粕(しぼりかす)を乾燥して作った魚粕(ぎょかす)。肥料のこと。
魚は江戸時代によくとれていたニシンやイワシ、サンマが一般的です。
栄一が初めて一人で買い付けに行ったとき、「搾め滓があればいい藍が作れる。」と。「肥料が少ない、肥料が〆粕ではない、乾燥が悪い、茎の切り方が悪い」などと言い農民たちは痛いところをつかれていました。
搾め滓(しめかす)は藍にとって重要なものだったのです。
江戸時代から重要な窒素質肥料として使われましたが、現在では化学肥料の発達と原料魚の不足からその利用は少なくなりました。
青天を衝け衣装デザイン
晴天を衝けで衣装のデザインを担当した方は
黒澤和子さん
黒澤和子さんは映画監督の巨匠、黒澤明さんの娘です。
黒澤和子さんは
- 大河ドラマ「西郷どん」「麒麟がくる」
- 連続テレビ小説「とと姉ちゃん」
などの衣装を手がけています。
「監督の頭のなかのイメージを具体的に実現するのが私たちの仕事です」
と話す黒澤さん。
血洗島に暮らす人々は自分たちが染めた青色の服を着ていたのではないか、ということ前提にデザインしたそうです。
監督は、
「血洗島で働く人たちが、大きな空と美しい緑、土の色という田舎の風景に溶け込むように、藍で染めたさまざまな濃淡の衣装を自然に着ているように見えたらいいな」
と話していたことも踏まえて表現されたそうです。
まさに狙い通りになっているなと思いました。藍の色が溶け込んでいて、江戸の人たちも派手すぎず庶民な感じがでているように感じました。
晴天を衝けは「幕末」です。幕末の志士たちは身なりに左右されないことがかっこいいと認識があったようです。激動の時代である幕末は、倹約令も出されていたので派手なものを着ることができず、服装がとても地味だったそう。
晴天を衝け藍染指導
晴天を衝けで藍に関する指導を担当された方はこちらです。
- 藍作指導/松由拓大
- 藍染指導/根岸誠一
- すくも指導/渡邉健太
まだ現役でやっている人がいてよかった!
藍作指導の松由拓大さん
藍染指導の根岸誠一さん
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淡路島で藍染めをしている根岸誠一さんが技術指導されています。
ドラマの制作スタッフは当初、関東圏で技術指導ができる職人を探したが、化学染料を使っている染色家が多く、難航していました。栃木県の藍栽培農家から紹介され、根岸さんが引き受けたという経緯があります。
根岸さんは元々藍農家だったわけではなく移住組だそうです。
すくも指導の渡邉健太さん
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すくも作りを指導されました。
ジャパンブルーと名付けたのが外国人?
ジャパンブルーと今ではよく聞くようになりましたが誰が言い出したのでしょう。
明治8年(1875年)に政府の招聘で来日したイギリス人化学者
ロバート・ウィリアム・アトキンソン
が日本人の多くが身に着けていた藍染の布をさして、ジャパンブルーと最初に呼んだのです。日本人の暮らしの中に、青色が溢れていました。
アトキンソンの著書「藍の説」に「日本では全国至るところで藍色の衣装を見た」と書いており、その藍色を「ジャパン・ブルー」と記しています。
藍色は1つではない。48色もある。
https://www.ciaojournal.com/wp-content/uploads/2018/06/ai48.jpgより引用
- 藍白(あいじろ)
- 甕覗き(かめのぞき)
- 白花色(しらはないろ)
- 白藍(しらあい)
- 秘色色(秘色色)
- 空色(そらいろ)
- 水浅葱(みずあさぎ)
- 錆浅葱(さびあさぎ)
- 浅葱(あさぎ)
- 湊鼠(みなとねずみ)
- 藍鼠(あいねず)
- 紺鼠(こんねず)
- 錆鼠(さびねず)
- 水縹(みずはなだ)
- 薄縹(うすはなだ)
- 浅縹(あさはなだ)
- 新橋色(しんはしいろ)
- 縹(はなだ)
- 青藍(せいらん)
- 新縹(こきはなだ)
- 薄藍(うすあい)
- 花浅葱(はなあさぎ)
- 薄花色(うすはないろ)
- 薄花桜(うすはなさくら)
- 花色(はないろ)
- 藤納戸(ふじなんど)
- 納戸(なんど)
- 高麗納戸(こうらいなんど)
- 錆鉄御納戸(さびてつおなんど)
- 錆御納戸(さびおなんど)
- 御召御納戸(おめしおなんど)
- 鉄御納戸(てつおなんど)
- 鉄(てつ)
- 熨斗目花色(のしめはないろ)
- 藍(あい)
- 濃藍(こしあい)
- 藍錆(あいさび)
- 紺(こん)
- 紺青(こんじょう)
- 鉄紺(てつこん)
- 紺藍(こんあい)
- 藍鉄(あいてつ)
- 搗色(かちいろ)
- 青搗(あおかち)
- 紫紺(しこん)
- 茄子紺(なすこん)
- 褐返し(かちがえし)
- 留紺(とめこん)
聞いたこともない色がたくさんありました。驚いたことは変換で大体でてきたこと。いくつかでてこない漢字もありました。
紺は藍色なんだと知りました。
晴天を衝け藍染に注目!日本の伝統色「藍色」の意味が深い!まとめ
晴天を衝けで藍染が注目されていますが、しっかり調べてみると藍染は日本が誇る技術ということがわかりました。今は染料におされてしまって段々となくなってきているようですが、無くならないでほしいなと思いました。
藍の色も48種類もあることに驚きました。渋沢家のみなさんがつけている着物や小物もどれもすてきなものばかり。ますます晴天を衝けが楽しみになりました。